工房だより    乾燥機入れ替えの日

一枚板は 1に乾燥 2に乾燥 3、4がなくて5に乾燥。
弊社にご来店いただいたお客様には とっておきの1枚に
出会っていただくため そしてその1枚とながーーーいお付き合いを
していただくための1番のポイント 「乾燥」の説明をじっくり
させていただいております。

覚えていただきたいのが 含水率20%以下 です。
自然乾燥+ 人工乾燥機でしっかり乾燥さえた材は 含水率が
20%以下になります。そこまで乾燥させると 購入後のヒビや
割れ 変形のリスクがかなり低くなります。

乾燥してない材をそのまま製作して塗装した方が水を含んでいる分
綺麗に見えて 買う時はそこまで考えずに きれいだからと選んで
5年後 10年後に変形してしまっては とてももったいないですよね。
そこはそれぞれの工房の誠意の見せ所だと思うのですが 平気で
生のまま販売するところも沢山あります。 時は金なり・・・。
乾燥させる時間と手間 灯油代など 色々と経費がかかるので
こだわりたくても こだわれないというところもあるかもしれません。

昨今 レジンテーブルも流行っていて 作ってほしいとのご要望が
ありますが、鳳山堂としては 100年3世代使っていただく一枚板の
こだわりがあるので お断りさせていただいております。すみません!
ブローチや小物で楽しむのは大賛成です。色が派手で綺麗ですから。
でも 自然の木材は湿度によってはミリ単位の動きはどんなに乾燥しても
必ずあります。 まったく変形しないレジンとくっつけたら 3年後
5年後 どうなるでしょうか? プラスチックが劣化するように
レジンも劣化するでしょうし、自然の木材と人口物質のレジンの
組み合わせは 段差や隙間ができる可能性が高いです。

鳳山堂で扱わせていただいております木材は 財産になるレベルの
大きな木から取れる一枚板です。 5年後10年後 思い出と共に
宝物になっててほしいなと思って 製作しています。

飽きのこない 年月が作り出した美しい杢目をじっくり
たっぷり楽しんでいただける作品を 今日も製作しています。
池田陽子